自然の生命と日本人 ~国土と宗教・信仰…民俗学の視点から~

日本の自然・国土と宗教観・信仰について、延喜式、風土記等編纂資料のほか、地域の民俗学資料、各種民俗学文献から考察します。フィールドワークの記録も。

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

供物の変遷

日本で、ダム技術が発達するまで根深く残っていた(昭和初期まであったという説もある)と言われる風習、「人柱」の風習がある。川の氾濫や、うまく橋がかからない時、人を捧げる。例えば高木俊雄の『日本伝説集』には、以下の様な人柱伝が記載されている。 …

秦氏考(2)

日ユ同祖論において秦氏はイスラエル系(ユダヤ教を信仰している)の渡来民であるとしばしば論じられる。日本ーイスラエルとの関連を示すのは先述したミハシラ鳥居―バプテスマもそうだが、特に京の土地において様々な秦氏ーイスラエル指摘が行われている。か…

秦氏考(1)

宮本常一『日本庶民生活誌(中公新書)』を読んでいると、興味深い記載があった。秦・機・畑(ハタ)の3つの言葉には、深い関係があるのではないかという。というのも、養蚕を行う(そして機織りを行う)にはそもそも、桑を植えねばならず、その桑畑の定畑化…

自然の中の安全 ~登山者の技術を学ぶ~

自分は、フィールドワークで山に入ることはあれど、登山家であったり登山者であるわけではない。だが登山家の著作や、登山者向けの著作に、よく目を通している。また、登山者の友人から話を聞き、直接、山行の技術を手ほどきしてもらっている。実際フィール…

塵輪 ―火山のイマジネーション―

石見神楽の演目に、「塵輪」というものがある。 (写真は、浜田市観光協会のサイトより) これは仲哀天皇の御世に塵輪という鬼が現れ悪事をつくし、それを成敗する物語だ。 塵輪は、黒い雲に乗って空中を浮遊し、人々を虐殺されたとされている。 縁起とされ…