自然の生命と日本人 ~国土と宗教・信仰…民俗学の視点から~

日本の自然・国土と宗教観・信仰について、延喜式、風土記等編纂資料のほか、地域の民俗学資料、各種民俗学文献から考察します。フィールドワークの記録も。

浦山の獅子頭・橋立鍾乳洞

休暇をもらえたので、思い立って、秩父の浦山地区・橋立鍾乳洞に出かけた。 まずは浦山民俗資料館におじゃました。エントランスに、浦山の獅子舞のチラシが貼ってあった。 平日のためか、館内に訪れたのは私だけのようだ。 挨拶をして中に入る。特に撮影禁止…

供物の変遷

日本で、ダム技術が発達するまで根深く残っていた(昭和初期まであったという説もある)と言われる風習、「人柱」の風習がある。川の氾濫や、うまく橋がかからない時、人を捧げる。例えば高木俊雄の『日本伝説集』には、以下の様な人柱伝が記載されている。 …

秦氏考(2)

日ユ同祖論において秦氏はイスラエル系(ユダヤ教を信仰している)の渡来民であるとしばしば論じられる。日本ーイスラエルとの関連を示すのは先述したミハシラ鳥居―バプテスマもそうだが、特に京の土地において様々な秦氏ーイスラエル指摘が行われている。か…

秦氏考(1)

宮本常一『日本庶民生活誌(中公新書)』を読んでいると、興味深い記載があった。秦・機・畑(ハタ)の3つの言葉には、深い関係があるのではないかという。というのも、養蚕を行う(そして機織りを行う)にはそもそも、桑を植えねばならず、その桑畑の定畑化…

自然の中の安全 ~登山者の技術を学ぶ~

自分は、フィールドワークで山に入ることはあれど、登山家であったり登山者であるわけではない。だが登山家の著作や、登山者向けの著作に、よく目を通している。また、登山者の友人から話を聞き、直接、山行の技術を手ほどきしてもらっている。実際フィール…

塵輪 ―火山のイマジネーション―

石見神楽の演目に、「塵輪」というものがある。 (写真は、浜田市観光協会のサイトより) これは仲哀天皇の御世に塵輪という鬼が現れ悪事をつくし、それを成敗する物語だ。 塵輪は、黒い雲に乗って空中を浮遊し、人々を虐殺されたとされている。 縁起とされ…

クマ・ヤマビル・虫さされなどの対策

町を離れ、里山や山地にフィールドワークで入る時は、捻挫等の怪我以外に、 クマ ヤマビル ハチ・アブなどの虫さされ、ヘビなどの咬傷 など、動物・昆虫による負傷リスクにも充分、気をつける必要があります。そこで、この記事ではそれらへの対策を御紹介し…

日本国土の特徴を概観する

日本人の民俗・信仰を知っていく上で、国土地理への理解があったほうが、より充実した知識を得ていけると思います。既に数多論じられるところですが、あらためて日本国土の特徴を整理してみたいと思います。 □地震大国:世界で発生したマグニチュード6以上の…

装備

フィールドワークでは、時々、資料を手元に、信仰対象の社や自然を探しに、山や沢に入っていく事もあります。ちょっとした登山のようになる場合もあります。そういう時の、自分の装備品?を御紹介してみます。 書籍・地図・筆記用具・コンパス Iphone(普段、…

はじめまして。

はじめまして、スイチョクです。山野井泰史氏の『垂直の記憶』が愛読書のためこのIDにしました。 民俗学が好きになったきっかけは幼少の頃、父にもらった『遠野物語』からです。夢中になって読みました。それから個人的に仕事の合間に、読書や資料収集、フィ…