自然の生命と日本人 ~国土と宗教・信仰…民俗学の視点から~

日本の自然・国土と宗教観・信仰について、延喜式、風土記等編纂資料のほか、地域の民俗学資料、各種民俗学文献から考察します。フィールドワークの記録も。

伝説・民話

供物の変遷

日本で、ダム技術が発達するまで根深く残っていた(昭和初期まであったという説もある)と言われる風習、「人柱」の風習がある。川の氾濫や、うまく橋がかからない時、人を捧げる。例えば高木俊雄の『日本伝説集』には、以下の様な人柱伝が記載されている。 …

塵輪 ―火山のイマジネーション―

石見神楽の演目に、「塵輪」というものがある。 (写真は、浜田市観光協会のサイトより) これは仲哀天皇の御世に塵輪という鬼が現れ悪事をつくし、それを成敗する物語だ。 塵輪は、黒い雲に乗って空中を浮遊し、人々を虐殺されたとされている。 縁起とされ…