自然の生命と日本人 ~国土と宗教・信仰…民俗学の視点から~

日本の自然・国土と宗教観・信仰について、延喜式、風土記等編纂資料のほか、地域の民俗学資料、各種民俗学文献から考察します。フィールドワークの記録も。

クマ・ヤマビル・虫さされなどの対策

町を離れ、里山や山地にフィールドワークで入る時は、捻挫等の怪我以外に、

  • クマ
  • ヤマビル
  • ハチ・アブなどの虫さされ、ヘビなどの咬傷

など、動物・昆虫による負傷リスクにも充分、気をつける必要があります。そこで、この記事ではそれらへの対策を御紹介します。

 

クマ対策

クマには、「出会わないようにする」のが一番大切だと考え、このようにしています。

  • 突然出会わないようにゆっくりと歩く。(クマが人間に気がつけるように、出会い頭の接触を避ける意味で)
  • 鈴をカバンと腕にとりつけ、音を鳴らしながら歩く。同行者がいたり、鈴の音色が気になる場合は、ホイッスル笛を鳴らしながら歩く。
  • 万が一のため、熊スプレーを携帯する。

基本的なことですが、こうしていれば、子連れのヒグマにでも出会わない限りは、大丈夫かと思います。クマだって、そうそう人間を襲いたくはないでしょうから。

熊スプレーやナタなどでの撃退は、クマとの距離がだいたい1~5メートルほどの至近距離になりますので、本当に最悪の事態の時の手段です。その距離にクマが迫っていてクマが興奮している場合(直接撃退行動を取らなければいけない状態)では、基本的に怪我は避けられないでしょうから、やはり「接触を避ける」ことこそ最重要の対策だと思います。

大切なのは、森や山はいろいろな動物の住居であることを真剣に尊重し、謙虚な気持ちで慎重に入山することだと思います。入山後はダラダラせずに、スムーズに工程をこなす気合も大事です。危険を感じたり体力が失われた場合には、目的を達成できていなくても、即、工程を中止する判断力も必要です。

 

ヤマビル対策

ヤマビルは本当に嫌なもので、噛まれても痛みがなく気がつけば咬まれた箇所が血まみれになってしまいますし、後日痒みも残ります。

噛まれないためには、まず服装が肝心です。

  • 半袖・半ズボンは避け、長袖を着用。できれば首周りも保護する上着が好ましいです(ヒルは、頭上からもふってきますし、足元にとりついたあと、首元あたりまで登ってくる場合があります)足にはスパッツを履くか、長靴。女性の場合、ストッキングを履いておくとヤマビルは皮膚に噛み付くことができません。
  • もし噛まれたら、塩もしくはアルコールをかけるとあっという間に剥がれます。
  • 剥がれた後は、ヤマビルの成分でしばらく出血が止まりづらいです。清潔な水でよく傷口を洗い、傷口をすこし圧迫し、その後、ガーゼ等で保護すると良いです。

 

虫さされ・ヘビ等の咬傷対策

服装は、ヤマビル対策と同様に、長袖・長ズボンを基本にします。

ハチは黒色に反応して攻撃行動を起こしますので、入山するときは黒い服装は避けます。また、香水の多くにハチを刺激する成分が含まれていますので香水も避けたほうが無難です。それでも虫さされやヘビからの咬傷を100%防止するのは難しいので、

  • ポイズンリムーバー
  • ヒスタミン剤入の軟膏(市販の虫さされ軟膏はだいたいそうです。使用感や効果の強さは、薬局でおたずねいただくと薬剤師さんが教えてくださいます)

を、必ず持参すると安心です。ポイズンリムーバーはアウトドア関連のお店や通販で簡単に購入できます。※ハチやヘビに咬まれた毒を、口で吸いだすと、口に傷があった際など大変危険です。

 

こういったことを準備するだけで、心構えもでき、気持ちも引き締まります。フィールドワークとはいえ、山地・里山の自然の前では、謙虚になって、甘えや軽薄さを捨て、準備をしっかり行い、安全で充実した時間にすることが大切だと感じています。

 

 

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by 自然の生命と日本人 author:スイチョク